空間デザインの新手法!バイオフィリックデザインとは?

空間デザインの新手法!バイオフィリックデザインとは?

空間デザインの手法は進化を続けていますが、近年は新手法としてバイオフィリックデザインが注目され始めています。バイオフィリックデザインとは人間中心が当たり前のデザインに、バイオフィリア仮説の適用を行うものを指します。バイオフィリアは生命や生命システムに対する愛情を意味しますが、バイオフィリア仮説は生物などに引きつけられる心理的傾向、人々が本能的に生物との結びつきを求めるの仮説です。

平たくいえば、バイオフィリックデザインはバイオフィリア仮説に基づく、人が緑などの自然を求める性質をインテリアデザインに取り入れる考え方です。コンクリートに囲まれた都会にいると窮屈な感じがしますが、その中に緑を見つけると人はホッとしたり、解放的な気持ちになるものです。こういった経験は誰にでもありますし、例えコンクリートジャングルであっても、自然味あふれる場所はリラックスできたり落ち着くわけです。

バイオフィリックデザインでは、建築に自然との繋がりを感じさせる要素を積極的に取り入れます。そして精神的かつ肉体的に感じる幸福度を上げる、それを目標にインテリアデザインが行われます。ちなみに、インテリアデザインに緑などの自然の要素を取り入れることは、幸福を感じやすく、認知機能も向上することが分かっています。現代人はストレスにさらされて生活をするのが当たり前ですから、ストレスの軽減や作業効率のアップの視点で、バイオフィリックデザインに注目が集まっているといえるでしょう。

バイオフィリア仮説をインテリアデザインに取り入れるには、直接的な要素と、間接的な要素を意識して取り入れることが大切です。視覚的に分かりやすい観葉植物などの緑もそうですが、光を自然光に近いものにしたり、生物を思わせる形のものを取り入れるのも有効です。それから身体的に感じる自然も大事なので、温度であったり風の流れについてもコントロールすることがポイントとなります。

オフィスビルであれば窓を大きくして自然光を取り入れたり、天井を高くして上から下まで緑で埋め尽くすのも1つのアイデアです。自然味あふれるといっても、空間をジャングルのようにする必要はなく、ラグに自然を思わせる柄や色のものを取り入れたり、デスク上に観葉植物を置くことからも始められます。デスクや家具を木製にするのもありですが、木目調の家具にするだけでも違うでしょう。大切なのは形にとらわれるのではなく、そこで過ごす人達が快適で、幸せに感じられるかどうかが大事です。